石の積み方による違い

日本庭園に用いられる技術の中でも、熟練を要するものが石積みです。
見た目だけでなく安全性も十分に考慮に入れて
施工しなければならないからです。

弊社事務所敷地内にて(練習用)↑
さて、写真の2ヶ所の石積、どちらも雑割の御影石を使用していますが
積み方が異なることにお気づきでしょうか。
よく見ると、まったく印象が違います。

↓こちら(上の写真では向かって右)が「崩れ積み」です。

野趣が魅力の積み方なので整然としていない様に積むのがポイントです。
その名の通り今にも崩れそうに見えますが、簡単には崩れません。
石同士のバランスと石裏の土圧によって安定するように積んでいます。

↓こちら(上の写真では向かって左)は「野面(のづら)積み」です。

面をそろえて積んでいるので、様々な大きさの石を用いているにも関わらず雑然とした印象は無く洗練された印象を与えます。
石同士が互いに荷重を掛け合うことによって安定するように積んでいます。

どちらの場合も自然石をほとんど加工せずに積み上げているため、石肌の風合いが生かされています。
特に雨の日に見ると、いっそう趣が感じられます。皆様のお庭にもいかがでしょうか。